*マルチカラー高速イメージングのはじめの一歩
高速で多色(マルチカラー)イメージングを行いたいと思っている方はいらっしゃいませんか。
多波長LED光源とマルチバンドのフィルターセットを使用することで、マルチカラー高速イメージングを簡単に始めることができます。
この技術ノートでは、多波長LED光源とマルチカラーイメージング用フィルターセットのご紹介をいたします。
多波長LED光源とは、単色のLEDモジュールを複数搭載したLED光源です。
一般的な白色光源(LED光源、水銀ランプやハロゲンランプ)とは異なった光源ですが、まずその違いを説明していきます。
*多波長LED光源と白色光源の違い
下のスペクトルグラフをご覧ください。上は多波長LED光源(niji)、下は白色LED光源(UHP-M)です。
多波長LED光源では、単色のLEDモジュールを複数搭載しています。
多波長LED光源 “niji” は、395nm、440nm、470nm、510nm、550nm、630nm、720nm中心波長を持つ7つのLEDモジュールを搭載しています。
これらのLEDはそれぞれ単独波長で発光させたり、複数波長を同時に発光させることが出来ます。
一方、白色LED光源はブロードな(広帯域)光を発光させます。
<多波長LED光源 “niji” スペクトルデータ>
<白色LED光源 “UHP-M” スペクトルデータ>
白色光源を使用して多重染色を行ったサンプルを観察する場合、励起フィルターを切り替えて観察を行います。
フィルターキューブを回して切り替える必要があるため、時間がかかり同時性の低い画像になります。
それに対し、多波長LED光源では、励起フィルターは各LED光源に取り付けられます。
各LEDモジュールは電気的にON/OFFを切り替えるため、波長切替速度がキューブを切り替える時よりも格段に上がります。
高速マルチカラーイメージングを行いたい時には、多波長LED光源が大活躍します。
*マルチバンドフィルターセットの種類
マルチカラーイメージングの話になりましたので、一度マルチカラーイメージング用のフィルターセットのご紹介します。
3種類のフィルターセットがあります。それぞれフルマルチバンド、Pinkel、Sedatフィルターセットです。
①フルマルチバンドフィルターセット
「フルマルチ」の構成は、励起フィルター、吸収フィルター、ダイクロイックミラー(以後DM)すべてがマルチバンドフィルターです。
目視またはカラーカメラで、多重染色されたサンプルを同時にマルチカラーで観察できます。
②Pinkelフィルターセット
「Pinkel」の構成は、励起フィルターはシングルバンド、吸収フィルターとDMがマルチバンドのフィルターです。
励起フィルターはフィルターホイールもしくは多波長LED光源内部の各波長のLEDモジュールと一緒に組み込んで使用します。
観察する際には、CCDカメラを使用し、個々の蛍光を撮像し、合成を行うことでマルチカラーの画像を取得します。
Pinkelのフィルター構成を使用することで、高速で励起波長を切り替え、ピクセルシフト無しで高コントラストの同時マルチカラーイメージングを実現できます。
③Sedatフィルターセット
「Sedat」構成では、シングルバンドの励起フィルターと吸収フィルター、マルチバンドのDMです。
DMは固定させて、励起側と吸収側のフィルターホイールを同期させて観察を行います。
励起と吸収フィルターどちらもシングルバンドを使用することで、S/N比の高い、高画質なイメージング画像となります。
ただしこの手法は、フィルターホイール前提のシステムのため、ハードウェアへのより大きな投資が必要となります。
*多波長LED光源活用方法 ~Pinkelフィルターセットとの組み合わせ~
本題に戻ります。
光源を多波長LED光源に変えることで電動式フィルターホイールがなくても高速マルチカラーイメージングが可能になります!
励起フィルターはLED光源の内部に組み込むため、フィルターホイールは必要なく、電気的にON/OFF切替が出来るため、高速切替となります。
多波長LED光源 “niji” の特長
①UV~NIRまで対応!最大7波長まで搭載可能!
②LED光源は後から追加し簡単に組み込むことが可能!そのため、必要な波長のみコストを抑えて導入可能!
③制御は専用ソフトウェア、MicroManagerなどのサードパーティソフトウェアからも可能!
下記のような方は、弊社の多波長LED光源 “niji”を使用して、高速マルチカラーイメージングを試してみませんか。ぜひご検討ください。
・シングルバンドのフィルターセットを手動(or 自動)で切り替えてイメージング
・ランプからLED光源へ切替を検討中
デモ希望やご質問は、弊社フォームよりお問い合わせください。